朝ドラらんまんで、植物学教室の学生たちが万太郎に抱く複雑な気持ちはちょっとわかる。
学問として取り組もうとすると、まったく華やかではない地道な勉強と地道な生産が必須で、それでもその先に見いだしたいものがある一心で、日々苦手なことにもかじりついているのに、(少なくとも今の)万太郎はおいしいところだけつまみぐいして持っていっているように見えてしまうのだよね。
たとえば、おもしろいいきもののありさまや、たのしい研究成果を上手に紹介して注目を集める人やサイトは今でも人気だけど、その人気がどれだけの人たちの、どんな努力の上に成り立っているのかについて無頓着な様子が見えてしまうと、わたしもやっぱり奥歯をギリギリ噛み締めたくなるから。
万太郎は、自分の心と足と目で新しいものを見つけ出しているから、ただ他人の研究成果を消費しているだけの今のインフルエンサーとは違う。その違いはとても大きい。
万太郎が、自身日々参照している文献を生み出している人たちの営みと、そのバックグラウンドに気づくのは、もう少し先かな。
とてもとてもよくできているドラマだと思う。